1.ゼクシオ 11 [XXIO 11]ってどんなクラブ?
ゼクシオ 11 は、
テンポが早いメトロノーム
自然に速く振れて、自分で振りに行くと、もっと速く振れる。
振りやすく感じて、飛距離がアップするのには2つの理由がある

自然に速く振れる理由
・・・クラブの重心位置が、グリップ寄りにあるから


振りに行くと、もっと速く振れる理由
・・・ヘッド重量が変わらずに、クラブ慣性モーメントが小さいから

2.飛距離アップと安定性の秘密
a.トップが決まる
「WEIGHT PLUS」はトップの位置を自然に決めてくれます。
クラブの重心がグリップ寄りにある3つのメリット
1.クラブを支える力を軽減する
2.バックスイングが上げやすくなる。
3.トップで、コックが2°深くなる。
~「WEIGHT PLUS」Technologyの効果~
ゴルフクラブの手元に重量を集中することで、テークバック時のヘッドを支える力を減らし、各人にあった、理想のトップポジションを作ります。さらに、理想的な重量配分により、スイングスピードがアップし、ヘッドスピードがアップ。インパクトのヘッド軌道とフェース向きも安定します。


シャフトを3g軽く、グリップを3g重くし、グリップエンドを10g重くすることで、バランスポイントが、3ポイント軽くなっています。
ヘッド(g) | シャフト(g) | グリップ(g) | 他(g) | シリコンラバーブッシュ(g) | クラブ重量(g) | バランス | |
ゼクシオ 11 | 196 | 37 | 30 | 7 | 10 | 280 | D2 |
ゼクシオ 10 | 196 | 40 | 27 | 7 | 0 | 270 | D5 |
差 | 0 | -3 | 3 | 0 | 10 | 10 | -3ポイント |
ヘッドを支える力を減らすことが出来て、バックスイングがスムーズに上がり、スイング中にコックが上がりやすくなります。その結果、トップでコックが2°深い位置になって、安定します。

早めにコックが入る

トップでコックが2°深くなる
b.ヘッドスピードアップ
ヘッドスピードが上がる理由2点
1.クラブの重心位置がグリップに近いから、スイング中の重心位置が体の近くを通ることになり、スイング中の回転スピードが速くなる。
2.クラブ慣性モーメントが小さいから、ヘッドの回転運動がしやすくなって、ヘッドスピードが速くなる。

クラブの重心位置がグリップに近い(ゼクシオ 11)
クラブの重心位置がグリップから遠い(ゼクシオ 10)

トップで、コックが2°深い位置からダウンスイングするので、さらにスイング中の重心位置が体の近くを通ることになり、スイング慣性モーメントが小さくなり、回転スピードが速くなります。
トップが深いから、さらに重心が左肩に近い(ゼクシオ 11)
トップが浅いから、重心が左肩から遠い(ゼクシオ 10)
1.スイング中の重心位置が体の近くを通ることになり、スイング中の回転スピードが速くなる原理
重心位置がグリップに近いと速く振れる現象は、メトロノームと同様の動きです。
重りが下方にあるメトロノームは、振り子運動の周期が速くなるので、速いテンポで動きます。
同じように、重心がグリップに近いクラブは、自然にヘッドスピードが速くなります。

クラブ重心がグリップに近い(ゼクシオ 11)
→重りが下の方にあるから、速く振れるメトロノームの原理と同じ。

クラブ重心がグリップより遠い(ゼクシオ 10)
→重りが上の方にあるから、ゆっくり振れるメトロノームの原理と同じ。
2.クラブ慣性モーメントが小さいことによる、回転運動がしやすくなって、ヘッドスピードが速くなる理由
クラブ重量は重くなっていますが、グリップエンド回りのクラブ慣性モーメントが小さいことで、回転させやすくなって、同じ力で振った場合でも、ヘッドスピードが速くなります。
クラブ長さ(インチ) | クラブ重量(g) | バランス | グリップエンドからの重心位置(mm) | クラブ慣性モーメント(gcm2) | |
ゼクシオ 11 | 45.75 | 280 | D2 | 913 | 2,859,000 |
ゼクシオ 10 | 45.75 | 270 | D5 | 948 | 2,863,000 |
差 | 0 | +10g | -3ポイント | -35mm | -4,000 |
※二木ゴルフ測定値
~クラブの慣性モーメントとは~
グリップ回りのクラブの慣性モーメントは、クラブの振りやすさに影響します。クラブ慣性モーメントが大きいほど安定しますが、振りにくくなり、小さいほど振りやすくなります。クラブが長いほど、ヘッド重量が重いほどクラブ慣性モーメントは、大きくなります。クラブ慣性モーメントが小さいほど、軽い力で振ることができ、同じ力で振った場合には、ヘッドスピードを速くできます。
3.数値で見るゼクシオ 11 [XXIO 11]
a.ヘッド特性
重心アングル(°) | 重心回り左右慣性モーメント(gcm2) | ネック軸回り慣性モーメント(gcm2) | |
ゼクシオ 11 | 28.3 | 4,546 | 7,788 |
ゼクシオ 10 | 28.1 | 4,412 | 7,441 |
数値が大きいほど、ボールがつかまりやすいヘッド。 | 数値が大きいほど、打点バラつきを吸収し、安定性がアップ。 | 数値が大きいほど、スイング中のヘッドの挙動が安定。 |
※二木ゴルフ測定値
~ヘッドの慣性モーメントとは~
ヘッドの慣性モーメントは重心軸回りの左右慣性モーメント・重心軸回りの上下慣性モーメント・ネック軸回りの慣性モーメントがあります。
重心軸回りの左右慣性モーメントと重心軸回りの上下慣性モーメントはインパクトの時の打点によるヘッドの回転しにくさに影響します。
左右慣性モーメントが大きいほど、トウ・ヒール側にボールが当たった時、ヘッドは左右に回りにくくなり、ボール打ち出しの左右の方向がよくなり、サイドスピンの変化が少なります。
上下慣性モーメントが大きいほど、上下側にボールが当たった時、ヘッドは上下に回転しにくくなり、バックスピン・打ち出し角の変化が少なくなります。
ネック軸回りの慣性モーメントはスイング中のヘッドを返す動きの操作性に影響します。ネック軸回りの慣性モーメントが小さいほど、操作性がよくなり、ヘッドを返し易くなり、ボールをつかまえやすくなります。反対に、大きくなるほど、操作しにくくなり、安定性はアップしますが、ボールをつかまえにくくなります。
・重心軸回りの左右慣性モーメント

・重心軸回りの左右慣性モーメント

・ネック軸回りの慣性モーメント

b.シャフト特性
MP1100(R)は、MP1000(R)と比べて、手元側の剛性は同程度ですが、先~中はかためになっています。先端側がかためになっていることで、インパクト時のヘッド挙動を抑え、安定性に優れたシャフトです。シャフト自体の重心位置は、先端側になっています。

※二木ゴルフ測定値
ーー以前は慣性モーメントや反発エリア、クラブの重量といったクラブの機能がクローズアップされるケースが多かったと思います。
XXIO Xから継承されていますがクラブの開発に当たりスイングに目をつけた理由は何でしょうか?
当社のクラブ開発コンセプトはヘッド・シャフト・グリップすべてを組み合わせたクラブトータルで設計することです。
XXIO7から手元重心化をキーとしながら、より振りやすいクラブ設計をコンセプトに、トップからインパクトにかけての動きに着目した商品開発をしてきました。その結果、ゴルファーがいつものように振るだけでヘッドスピードアップ・ボールスピードアップを可能にしてきました。
今回のXXIOでは、新たにテイクバックからトップにかけてのゴルファーの動きに着目し、深く安定したトップポジションに導くことでよりゴルファーの力を効果的にインパクト時にボールに伝える事が可能となりました。
ーー手元に重量を集中すると理想のトップ位置に収まるとのことですが具体的な理由を我々にも分かり易くご説明をお願い致します。又、グリップエンド部分についてグリップ自体のエンド部分の重量を重くするのではなく別の素材にした理由を教えて下さい。
手元に重量を集中することにより、ヘッドを支える力を軽減することで自然とコックがたまり、無意識にバラついていたヘッド姿勢を保ちやすくなるため、深く安定したトップの位置に収まることが可能になります。グリップエンドには1Wのみ「シリコンラバーブッシュ」を搭載しております。クラブ長が長い1Wはより手元側に効率よく重量を配置するにあたり、別の素材を採用しました。
ーーコックが深くなるとのことですがオーバースイングの様になったりはしないのでしょうか?
トップの位置のバラツキは従来より40%低減します。オーバースイングの様になるのではなく、ユーザー自身それぞれの理想とするトップの位置に収まりやすくなります。
ーーフェースの向きが安定するとのことですがそれはヘッドの機能によるものとは違うのでしょうか。ウェイトプラスとの相乗効果とすればメインはどちらの機能になりますか。
WEIGHT PLUSの設計により、トップが安定することでダウンスイングのスイングプレーンが安定します。その結果ヘッドの慣性モーメントも効果を発揮し、フェースの向きが安定します。
ーーシャフトの軽量化が更に進んでいますが何か今までと違う素材や技術が開発されたのでしょうか。可能な範囲で教えて下さい。
材料は従来モデルを継承した東レとの共同開発による軽量ながら高強度高弾性カーボンを採用しています。その中で今回は更なる軽量化に向けて構造面でも工夫を施しています(詳しい内容は機密によりお答えできません)。
ーーフェース中央部分を薄肉にして反発エリアを広げているとのことですが耐久性の心配はないのでしょうか。
耐久性は自社で必要なテストで検証しており、問題ございません。
ーーCFRPをXXIO X-eks-に採用しXXIO ELEVENに採用しなかった理由はどういうところにありますか。両方に採用するお考えはなかったのでしょうか。
今回は対象層それぞれの求める「飛び・打ち易さ・爽快な打球音」を実現するために特に爽快な打球音に着目し、X-eks-にのみカーボン複合構造を採用いたしました。その結果、ELEVENでは高く残響の長い音を、X-eks-では同じ高さでありながら残響を抑えた締まった音を実現しております。また、ELEVENではSTAR FLAME構造で、X-eks-ではCFRP構造にてそれぞれフリーウェイトを生み出し、重量を最適に配分しておりますので、両方ともに高い反発性能を有してます。

株式会社ダンロップスポーツマーケティング
ゴルフ販売企画部二課
鎌田 将太 ーshota kamadaー
2012年に住友ゴム入社後、ゴルフクラブの需給業務を経て、
2017年より株式会社ダンロップスポーツマーケティグで
ゼクシオ、クリーブランドのゴルフクラブの販売企画を担当。
最新モデルのXXIO ELEVEN・X-eks-・LADIESの立ち上げに携わる。